とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
『クロウってゲイじゃなかったの!?』
『だから違うって!』
『ごめんなさい、私てっきり…』
『なんでそうなるんだよ…』
『だって、全く女の子に興味示さないんだもの~』
それを聞いていたアランはクスクス笑いながら右京を見つめた。
『彼女とボイスチャットしてる時のクロウは可愛いよ。』
そんな事を言うもんだからまたマイケルが「覗きに行く」なんて言い出した。
それに他の仲間達までもが便乗し、騒ぎはまた大きくなっていった。
その日の夜、マイケルはジェイクにどうやって“シノブ”と話すクロウを覗き見するかを真剣に相談した。
『難しいと思うぜ?そもそも今朝のアレはやりすぎだった。
だから止めろって言ったんだ!』
『ジェイ!そんな弱気でどうする!
こんな楽しい事を逃す手はないだろ?』
『まぁ、確かに楽しいけどな。』
そう言って顔を合わせてニヤリと笑った。
最近のマイケルは右京にイタズラをするのが趣味みたいなものだった。
いちいち反応が面白くてすっかりハマっていた。
いつもイタズラをしても“恋人”を向かわせてご機嫌を取っているつもりだったのだが、どうやらとんでもない間違いだったらしい。
それが発覚してマイケルは本気で頭を抱えた。