とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



…ったく!!どいつもこいつも…!



季節はだいぶ肌寒くなり、もうすぐクリスマスだというのに…



『アイツ等他にやることないのか!?』


『ないんじゃないか?』


クスクス笑いながらインテリは眼鏡を磨きだした。


ため息をつきながらベットに倒れ込んだ右京に『で?』とアランは足を組んだ。



『今回の口論の原因はなんだい?』


『…忍の就職だよ…』


『出版社だろ?』


『外資系のな!』



その言葉にアランは『なるほど』と話を読んだ。



『原因は海外勤務か。』

『そこまでじゃないらしいが、年に何度か海外出張があるって言い出した。』



それも嬉しそうに…。



何がそんなに嬉しいのか理解出来ない。



『ちゃんと理由を聞いたのかい?』


『理由もクソもねーだろ!
海外だぞ!?しかも独りで…

心配で気が気じゃねーよ』



そう吐き捨てるとアランは『クロウらしい』と笑った。



『ちなみに出版社の名前は判るかい?』


『“イルミナティ”って言ってた。』


『なんだって?…ククク…それは興味深い。』



“イルミナティ”


つまりグノーシス主義の“秘密結社”の事である。


話してもいないのにピンポイントでそんな名前の出版社に就職を決めるとは…



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