とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
P2に行くと言う右京とデートに行く虎太郎とリサは途中でランチを取った。
パスタを食べながら右京がアランから聞いた話に耳を傾ける。
『じゃあその記者がニックだって事?』
『…らしい。』
『凄い偶然ね…そこまでくると気味が悪いわ…』
『だろ?普通なら知り合いで良かったと言うべきなんだろうけどさ…』
『うん、良かったんじゃね?』
そう相槌を打ちながらパスタを頬張る虎太郎を右京が軽く睨んだ。
『他人事みたいに言いやがって…』
『…他人事だもん…』
『で?クロウはそれを彼女に言うの?』
『どーすっかな…』
『とりあえず成り行きに任せてみたら?』
『もしそのニックが彼女を気に入っちゃったらどうするのよ…』
右京はうーんと考えながらフォークをくるくると回した。
『ニックのタイプじゃないとは思うけど、一々“俺の彼女に手出すな”とか先に言うわけ?
ダサくねぇ?それって…』
『ダサいわ。』
『…おい、お前の女なんとかしろよ…』
『右京。俺がリサをどうにか出来ると思う?』
右京は『無理だな』と即答して再びパスタを食べ始めた。
そもそもリサをどうにか出来る男がいるかが疑問だ。
そんな彼女をここまで手懐けてる虎太郎に感心すらしてしまう。