とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~





P2に行くと言う右京とデートに行く虎太郎とリサは途中でランチを取った。


パスタを食べながら右京がアランから聞いた話に耳を傾ける。



『じゃあその記者がニックだって事?』


『…らしい。』


『凄い偶然ね…そこまでくると気味が悪いわ…』


『だろ?普通なら知り合いで良かったと言うべきなんだろうけどさ…』


『うん、良かったんじゃね?』



そう相槌を打ちながらパスタを頬張る虎太郎を右京が軽く睨んだ。



『他人事みたいに言いやがって…』


『…他人事だもん…』


『で?クロウはそれを彼女に言うの?』


『どーすっかな…』


『とりあえず成り行きに任せてみたら?』


『もしそのニックが彼女を気に入っちゃったらどうするのよ…』



右京はうーんと考えながらフォークをくるくると回した。



『ニックのタイプじゃないとは思うけど、一々“俺の彼女に手出すな”とか先に言うわけ?

ダサくねぇ?それって…』


『ダサいわ。』


『…おい、お前の女なんとかしろよ…』


『右京。俺がリサをどうにか出来ると思う?』



右京は『無理だな』と即答して再びパスタを食べ始めた。



そもそもリサをどうにか出来る男がいるかが疑問だ。


そんな彼女をここまで手懐けてる虎太郎に感心すらしてしまう。



< 321 / 474 >

この作品をシェア

pagetop