とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
だが都市伝説などはどれもよくあるゴシップに過ぎないものが多い。
未確認生物、いわゆるUMAと言われるものはでっち上げが多く最近では真実味もない。
UMAも精霊など実在するものが居ると分かっているのだが…
ニックとしてはそういった記事はあまり好きではなかった。
たまに『どうしても』と頼まれて書く事も過去にあったが、やはりリアリティを追求したものが“ニコール”の売りなのだ。
『ゴシップネタならゴシップ誌の連中が書けばいい。
俺はもう少し真実に近いネタを探してんだ。』
『…ゴシップとその違いがよく解らないが…
でもそういうのはダンが一番知ってそうだな。』
『ダンには毎回世話になってるよ。』
そう言ってニックは右京に『読むかい?』と自分の書いた記事が載る雑誌を渡した。
右京はそれを読んでニックの言う“ゴシップ”と“リアリティ”の違いがなんとなく理解出来た。
『つまり政治的もしくは宗教的要素が欲しいのか…』
『お!やっと理解したか…さすが大学生!』
茶化すニックを半眼で睨んでから雑誌に視線を戻した。
ふとニコール・ウィッシャーのプロフィール欄を見て右京は固まった。