とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~






肩並べて仲良く夕飯を作りながら色んな話をした。


日本に居る家族の事とか、こっちにいる友達の事とか話題は尽きない。



「…でね?おじいちゃんが遂にバイクの免許を取ったのよ!」


「マジで!?…ヤバいな…俺のゼファーが…」


「この前磨いてたから今頃乗り回してるかも~」


シチューを煮込む忍の隣で右京はサラダを作りながら「最悪じゃん」と露骨に嫌な顔をした。



簡単に作った夕飯も忍が一緒だとどんな料理より美味しい。


右京の食べてる姿を忍はニコニコしながら見つめた。



「…なに、見とれてんの?」


「あまりにもいい食べっぷりだから感動してんの。」


「なんだ、そんな理由か…」



ご機嫌な忍はクスクス笑いながらサラダを突っついた。



「なぁ…今思ったんだけど…」


「なに?」


「さっきヤッたんだぜ…ここで…」


「なっ…何言ってんの!?」


「そこで飯食うってさ…すげー状況じゃね?」



ニヤニヤ笑う右京に「バカじゃないの!?」と真っ赤になって怒る忍。



「明日からここに座る度に思い出すだろ?」



右京は忍をからかうようにゲラゲラ笑った。



「何でそんな事いうのよ!」


「思い出してまた俺に会いたくなるよーに言ってんの。」


「右京のバカ!変態!」


そんな風に怒る忍もかわいい。



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