とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~




忍が片付けをしてる間にコーヒーを入れる。


ダイニングの椅子に腰を下ろして一息つくと、忍は眠そうに目をこすった。



「疲れてんだろ…シャワー浴びて寝ちゃえば?」

「うん…右京は寮に戻るの?」


「その予定だけど…」


「そっか…」


「寂しい?」


「別に…そーゆーワケじゃないわよ…」



明らかに不安そうな表情なのに相変わらず素直じゃない。



「まだ居るからシャワー行って来いよ」



そう言うと頷いてシャワールームに入って行った。



その間に右京は本棚の書籍を眺めた。



ドイツ語のものが目立つ。



「あいつドイツ語も出来るのか…」



フランス語くらいなら多少わかるのだがドイツ語はさっぱりだ。


ふと日本語の本もある事に気付いた。


よく見ると色んな国の本が並んでいる。



「一体何カ国語出来るんだ!?」



そう考えると流石だと認めざる負えない。



過去にニコールが書いた記事の載る雑誌を見つけて手にとった。



なかなか面白い記事で思わずその場で読み入っていると「何みてるの?」と忍が雑誌を覗き込んだ。



「おかえり」と言って耳元にキスを落としてから雑誌を見せた。



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