とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「ニコールは観点が面白いな。」
「そうなの!ほんの数ページの記事でこんなに引き込まれる物を書けるなんて、凄いよね…」
「だから惹かれたんだろ?ちょっと嫉妬する~」
そうおどけた右京に忍はクスクスと可愛く笑った。
「これはもうおしまい。疲れてんだからもう寝ろ。」
「まだ大丈夫よ。」
「ダメダメ!明日もあるんだから!」
雑誌を取り上げて忍を抱き上げると寝室のベットに寝かせた。
「右京…まだ居てくれる?」
「ん…寝るまでここに居る。」
灯りを消して忍の枕元に腰を下ろすとしばらく寝顔を眺めた。
「…右京…」
「なに?」
「…そこ寒くない?」
「大丈夫だよ。」
「…こっち来てもいいよ?」
「…それは拷問に近いな…」
さすがに何しないでいれる自信がない。
疲れてるだろう彼女を今日は寝かせてあげたかった。
「…だから…いいってば…」
「…はぁ?」
「…その…それでもいいって言うか…」
「…あのね…無理する必要ないし、そんな事したい為にここに居るんじゃない。
忍のそばに居れるだけで俺はいい…」
そう右京が言うと少し間を開けて忍は小さな声で言った。
「…私は…それじゃ不満…て言ったら?」
「…」
一瞬思考が停止して忍の言葉を理解するのに時間がかかった。