とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
ニックはダイニングに居る忍に、明日昼頃来ると伝えて玄関の扉を開けた。
『じゃあウキョウ君、会えて良かった。“また”な!』
『…ああ、“また”…』
右京の返事に満足そうに微笑んで出て行くニックに溜め息を付いた。
「どうかした?」
右京の顔を覗き込んだ忍が不思議そうに首を傾げた。
「なんでもないよ。
それより一緒に風呂入ろうぜ!」
「ええ!?お風呂!?」
右京はバスタブにバブルソープを垂らしてお湯を張り始めた。
「まだ一緒に入るなんて言ってない!」
「忍は入るよ…俺と一緒に。」
バスタブの縁に腰を掛けたまま忍を見上げて右京は微笑んで手を取った。
「仕事の話…聞いて欲しいんでしょ?」
「よく判るわね…」
「なんでも判るよ。忍の事ならね。
で、何があったの?」
「それがニコールが最悪でね~?」
忍の話をうんうんと聞きながら忍の服を脱がせていく。
「…だからニコールをマリア様に投げてやったわ!」
「ククク…忍らしい。…でも無理しないでくれ。」
下着姿になって忍の体をチェックしながら右京が「痣出来てる」と腕を掴んだ。
「気付かなかった…」
「一生懸命なのは判るけど無鉄砲過ぎるんだよ、忍は!」
自分も服を脱いでお湯を止めると忍を担いでバスタブに浸かった。