とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~




足の間の忍の体をスポンジで洗う右京に忍が「世話焼きすぎ!」と笑った。


「決めた!俺、毎日忍の体洗いに来る!」


「ぷっ…なにそれ。」


「忍の世話するのは趣味みたいなもんだから。」



そう言うと忍は「はいはい」と呆れたように答えた。





先に上がった右京はトランクス一枚のままニックから借りたギリシャ語の本に目を通してみた。



「…辞書無いとキツいな…」


「本借りたの?」


「ん…ギリシャ語なんだ…忍、判る?」


「無理無理!」



寮に戻って辞書取って来るか…



ついでにP2に寄って来ようと考えて右京は服に着替えた。



「ちょっと辞書取って来る。

先寝ててもいいから。」


「戻って来るの?」


「今日は一緒に居るって約束したろ?

鍵締めとけよ!」



あっという間に出て行った右京に忍はただ呆気に取られて何も言えなかった。




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