とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
ニックは右京の顔を見ると両腕を広げて近づいて来た。
『クロウ!…愛してるぜ!!』
『…そうか…上手くいったみたいでよかった。』
抱きしめられた右京はちょっと圧倒されながら苦笑した。
『にしても、まるでマジックだ!どうやったんだ?』
『アランに後で聞いてくれ。
それより…』
とアランに視線を戻した。
『彼の正体は恐らく…』
『ああ、“ハンター”だろう。
その彼が動いてるとなると何かありそうだね。』
アランの言葉に頷くと右京は立ち上がった。
『そのうち彼の助けが必要になるかも知れないぜ?』
『そうだな。それまでに口説き落としたいよ…』
そう言って笑う二人にニックは首を傾げた。
『じゃあそろそろ俺の天使の活躍でも聞きに行って来るよ。』
『ああ、クロウ!今日は彼女よく頑張ってくれて助かったよ。』
後ろからそう言われ右京は『今日も…だろ?』とニッと笑うと片手を挙げて出て行った。