とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~





言葉通り右京は忍に返り討ちにされ、ベットでしばらく動けずにいた。



「忍…なんなんだよ、お前…」


「だからそーゆー言い方しないでよ!!」



右京はうーんと唸りながら枕に顔をうずめた。



「右京…喉渇いた~」


「おれも~」



何か持って来てと言う忍に「え~…」と面倒くさそうな顔をする。



「嫌とは言わせないわよ…」



ニヤリと笑った忍の手が右京の体を這う様に動くと慌てて布団を跳ね飛ばした。



「うわっ…!無理無理!!もう無理!!」


「ペットボトルがあるから持って来て…」


「ぅ…っ…わ…わかったから、今ソコ触らないで!」



渋々ベットから這い出しブツブツと文句を言いながら部屋を出て行く右京を見て忍はクスリと笑った。



忍はベットの上でラップトップを広げスイッチを入れた。



“題名のない本”の画像を一枚一枚チェックしていく。



「この文字が解ればな~…」


「今日の写真?」


「うんうん。」



戻って来た右京からミネラルウォーターを受け取ると画面を見せた。



「サンスクリット語にも似てるな…」


「私にはさっぱり。」


「ニッ…じゃない。ニコールが詳しいだろ…」



忍はそうねと溜め息混じりに答えた。




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