とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~




翌朝忍より先に目が覚めた右京は下だけ身に付けベットから這い出した。


裸足でダイニングまで行くとポットを火にかける。


お湯が沸くまでの間に腕立てを始めた。


稽古は毎日出来ないが筋トレは欠かさない。


さすがに昨日の対忍戦が効いていて体が痛い。



コーヒーを煎れていると欠伸をしながら起きて来た忍の頬におはようのキスを落とす。



「今日デートしない?」


「デート?学校もうないの?」


「ん。レポート提出したしもう休みなんだ。

忍もとりあえずは一段落だろ?」


「そうね。午前中にニコールが仕事で来るって言ってたけど、私は手伝えないし…」


「どこか行きたいとこは?」


「じゃあ…ロンドン!実は観光したかったの。」

「ビッグベンでも行ってみるか。」



そう言うと忍は嬉しそうに微笑んだ。



忍がシャワーを浴びている間、リビングで型稽古をしているとニックが訪れた。


『ワオ…筋肉美ってやつだね。いつもやっているのかい?』


『時々ね。やらないと勘が鈍るからな。』



ニックは感心した様に右京の稽古を眺めた。



『あら、ニコール。おはようございます。』


『やぁ、忍。
君の彼はカッコいいね!』


『きっとこっちでは大した稽古してないだろうから、私の方が強いと思いますよ?』


『いくらなんでもそれはない。

忍には負けないよ。』



そう言うと負けず嫌いの忍は構えた。


< 402 / 474 >

この作品をシェア

pagetop