とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
そう言われ忍は悔しそうに涙を浮かべて黙って自分の部屋に籠もってしまった。
さすがの右京もヤバいと感じてドアをノックするが返事がない。
『クロウ…席外そうか?』
『ああ、悪いな…後で連絡するよ。』
ニックは忍の消えた部屋に『悪気はなかった』と告げてから出て行った。
「忍…入るよ?」
来ないでと声が聞こえたが無視してドアを開けた。
布団にくるまって顔を見せない忍のそばに跪くと右京はポンポンとその塊を叩いた。
「説明するから顔見せて…」
「右京は私に隠し事しないと思ってた…」
「言えなかったんだよ。
…ニックと俺は秘密結社に入ってるんだ。」
そう言うと塊がピクリと動いて忍がちょっと顔を覗かせた。
「…秘密結社…?」
「そう。…俺の話を聞いてくれる?」
忍が小さく頷いたのを見て右京は塊ごと抱き締めながらP2について説明した。
「…じゃあ、ニコール達が右京を助けてくれてるの?」
「そう。アイツ等はそうは思ってないだろうけどね。
さすがに俺と虎太郎だけじゃ厳しいだろ?」
そう言うと忍はコクリと頷いた。
「ねぇ…それ私も入れないかしら…」
「危ないからダメ。アランが許しても俺が許さない。」
シュンと肩を落とす忍に右京は溜め息をつく。