とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
布団から忍を引きずり出すと自分の腕の中に彼女を閉じ込めた。
「ねぇ、忍。俺がなんでイギリスに来たか判るよね?」
「…判るけど…それでも私は右京と一緒にいたい!」
「忍…俺もだよ…誰よりも忍が大事なんだ…
もしも忍に危険な目に遭ったら俺はどうしたらいい?
俺がかなわない相手だったらどうやってお前を守ればいい?」
ポロポロと涙を零す忍を見つめて右京は本音を語った。
「それが怖いんだ…」
「でも!!…右京が悪魔に目をつけられるとも限らないじゃない!!」
「絶対来るよ。」
「なんで言い切れるの!?」
「…知りたい?」
右京が悲しそうな顔をしたのが気になったが忍はゆっくり頷いた。
「いいよ。…忍には隠し事なしだからね。」
そう言うと右京は忍から少し離れ─
右京は風を纏い漆黒の翼を出した。