とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
右京は自分を“悪魔と大差ない”と言った。
でも忍は右京は悪魔じゃないと思う。
違う…悪魔でもいいと思う。
こんなに優しい悪魔なら、その姿がどんなに醜く恐ろしいものでも構わない。
だって右京は右京だから…
「右京…大好き…」
そう呟くと右京はちょっと驚いた表情をして、また優しく笑った。
そして少し照れたように「知ってるよ」と答えてくれた。
「そんなに俺を喜ばせてどーしたいの?」
なんて言うから可笑しくて思わず吹き出した。
そしたら右京は…
「泣いてる忍も可愛いけど、やっぱり笑ってる忍が一番可愛い。」
そう言って額にキスをして…
また世話を焼いた。
「なんでそんなに優しいの?」
って聞いたら
「忍の前では天使のままで居たいから…」
右京はそう答えた。
「なんでそんなに世話を焼くの?」
って聞いたら
「後で美味しく頂くため。…悪魔みたいにね。」
でもちょっと考えて「違うな…」と言った。
「美味しく頂かれるのは俺だ。」
「もう!ひどい!」
そう言って二人で笑って…
「じゃあ私が悪魔だね。」
「こんなに可愛い悪魔なら大歓迎だよ。」
「私も。右京が天使でも悪魔でも…」
そしてどちらからともなく顔を近づけて…
愛を確かめて…
「「愛してるよ」」
って言った。