とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
それを知ったミカエルは呆れたように溜め息をついた。
『君が時々何を考えているのか解らないけど…僕はそんな君も嫌いじゃない。』
そう言って笑った。
だがバジリスク本人が弁解しないのもあり、彼女には敵意を持っているようだった。
なのでウリエルが居ない時に黄泉の門に現れる事は、普段のミカエルだったら有り得ないのだ。
それがわざわざ出向いて来た。
その事態にバジリスクはミカエルの言葉が急を要すると判断したのだろう。
─ウリエル様…私に何か出来ますか?
『心配かけてすまない。
ミカエルにありがとうと伝えてくれ。
もし何か解ったことがあったなら教え欲しいと…』
無闇に右京ひとりで動いて忍に危険が迫るような事があったらマズい。
やはりある程度の相手の動きは掴んでおくのが先決だろう。
─かしこまりました。
そうバジリスクが答えた時、忍がリビングに入って来た気配がして彼女は慌てて飛び去った。
『…なに、鳥!?』
『ああ、バジリスクの使いだ。
友人からの伝言を伝えに来てくれたらしい。』
『友人…?』
『知りたそうな顔してるね。…おいで…』
ソファに座って手招きする右京の傍らに忍も座った。