とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
忍は右京の頬にかかる濡れた髪をすくいながら「そう…」と短く呟いた。
「…ねぇ。ミカエルってどんな天使?」
「…ミカエルに興味があるの?」
「…なに?マズいの?」
「アイツはいい奴だけど…女にはだらしない。
自分に興味がある奴は洗脳してでも手に入れる。」
「…まさか私もそうなるとか思ってるの?」
「そうは言わないけど、忍が他の男に興味持ったらヤキモチは妬くよ。
アイツ俺からみてもかっこいいし…」
「…そんなに私を独占したいの?」
右京はからかうように笑う忍の後頭部に手を回すと少し引き寄せた。
「したいよ。…常に。」
「…バカね…」
忍は微笑んで右京に触れるだけのキスをした。
「忍の頭の中が俺でいっぱいになればいいのに…
そしたら他の奴なんか考える隙なくなるだろ?」
「…どんだけ独占欲強いのよ…」
相変わらず異常なほど独占欲の強い右京に忍は吹き出した。
─もう既に右京でいっぱいだけど…
だけどヤキモチ妬いてる右京がかわいいから秘密にしとこう─
こっそりそんな事を忍は思った。