とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
『そんなの知ってるわよ。
問題ってなに?』
『色々!…で俺しばらく天界に戻るけどリサどうする?』
『ええっ!?…ヒューガ…まさか私をほったらかしにするつもり!?』
『…言うと思った…一緒に来るかい?』
そう言うとリサは嬉しそうに目を耀かせた。
『まぁ、向こうでも留守番しててもらう事になるかもだけど…』
『行く!ヒューガいないならここに居ても暇だもの!』
天界に行っても暇になるだろうけど、目を離すと周りにリサが迷惑をかけるだろう事は容易に想像がつく。
今は使われてない空き部屋まで来るとリサを抱き寄せた。
『…じゃあ行こうか。』
リサは虎太郎の首に手を回してキスをせがんだ。
それに応えるとリサに上着を脱がされた。
また違う方向に行ってしまいそうなリサに『ちょっと待った!』とストップをかけた。
『…そうじゃないんだ。』
『何が?』
『つまりこの部屋に来たのは…』
『また言い訳?』
『いや、言い訳じゃなくて…』
『いいのよ?ヒューガ…
私を抱きたいんでしょう?』
『…そりゃ抱きたい…じゃなくて!
いや、抱きたいのは間違ってないんだけど、今はそれどころじゃ…』
『ごちゃごちゃうるさいわね…黙りなさいよ!』
思わずリサの勢いに押されて『はい』と言ってしまい、すぐに後悔した。