とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



ウリエルは風を纏い仕掛けて来るだろう攻撃に備える。



…来る!!



目の前のルシファーが消え、真後ろに気配を感じて身を反転させて衝撃に耐える。



…なんだ!?



何をされたのか全く見えなかった。



『ウリエル…がっかりさせるなよ?』



また消えたと思うと今度は真上に…


身を翻して攻撃を避ける。


今度は真下…



『チッ…!』



片手でそれを受け止めるが身体に黒い渦がまとわりつく!



ウリエルは爆風を巻き起こして漆黒の羽根と供にそれを弾き飛ばした。




一瞬ルシファーはウリエルに目を奪われた。



その刹那、右手を突き出しルシファーの喉を掴む。



『噂には聞いていたが…禍々しく美しい…!』


『貴様の美的センスの無さにはヘドが出る!』



締め上げる腕に力を込めるが全く手応えがない。



…何故だ!?




『…何故か教えてやろうか?』


『!?』



ウリエルの思考を読んでルシファーは楽しそうに笑った。



『私の存在が神に近いからだよ。』


『ふ…ふざけるな!』



ウリエルのその腕から業火が吹き出し、さすがのルシファーも顔を歪めたのがわかった。



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