とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
燃えろ…!
ウリエルの右目が赤く光を増す。
燃えろ…燃えろ!!
苦痛に歪むルシファーの顔に口角を上げる。
燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ!
『お前は…何者だ…?』
黙れ!!
『…悪魔と何が違うと言うのだ!?』
煩い!!
『ウリエル…!それでも…お前は堕天使だと…いえるのか!?』
俺は…
ふとウリエルは手を緩めた。
ゼィゼィと苦しそうな呼吸を繰り返すルシファーはウリエルから後退して距離を取った。
『…じゃあ教えてくれよ、ルシファー。
俺は悪魔なのか?』
『そう望めばいいのだよ、ウリエル…!
私と共に世界を手に入れようではないか!』
『…望む…?』
『そうだ!神をも凌ぐ力を手に入れたくないか!?』
ウリエルを見つめてルシファーは嬉しそうに瞳を耀かせた。
『なるほど…』
そう一言呟いてウリエルは俯いた。
その表情は見えないが口元には確かに笑みを浮かべている。
ルシファーはそれに気付いてウリエルに近付いて両肩を掴んだ。
『私とお前なら敵はいないだろう!
心配する事は何もない。』
『ルシファー。お前は一つ勘違いしている。』
静かにそう言うウリエルにルシファーは眉を寄せた。