とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



ハニエルは自分に『落ち着け!』と言い聞かせガブリエルの足元にひざまづいた。



『ガブリエル様、落ち着いて詳しく話して下さい!』


『何からどう話せば…

まずミカエルがルシファーの翼の捕獲に失敗して…

それをウリエルに任せると言って…

わたくしは反対したのですが…


今となってはそれはどうでもよいのです!』



『ルシファーの翼の捕獲?

まさかバジリスクの事をご存知だったのですか!?』



ハニエルの指摘にガブリエルは涙を浮かべ頷いた。



どういう事だ!?



よくよく話を聞いてみると、タルタロスからガイアへとルシファーが逃げ出した事を、かなり前にカオスからガブリエルは報告を受けていたらしい。



ガブリエルはその事実をミカエルに伝えて相談した。


ミカエルはカオスがルシファーの翼を奪ったと知ると、先手を打つ策に出た。



その昔、ある悪魔が使い魔のバジリスクをルシファーへ翼を差し出すようにと幽閉していたのをミカエルは知っていたのだとか…



翼を無くしたのであればまた手に入れようとするだろう事は予測出来た。



ミカエルはガブリエルに『心配いらない』と余裕綽々で微笑みながら言った。


そしてガブリエルとミカエルの間でルシファーの皇帝としての地位の剥奪する計画は完遂するはずだった。



< 463 / 474 >

この作品をシェア

pagetop