とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
虎太郎が下界に下りた時は既に暗闇が広がって居た。
ウリエル様は…右京は何処に…!?
上空から見下ろし、千里眼を発動させる。
普通に発動させていたら見つける事は不可能だ。
もっと力を…!
虎太郎は人目も気にせず翼を出して力を解放していく。
忍と潤を見つけた。
その傍に右京は居ない。
だが潤が居るということは、右京が生きて居るのは確かだ。
『右京…!何処に居る!?』
探知する範囲が狭いのか!?
もっと広く…!
居ない…
『クッソ…!』
とりあえず忍の様子を見に行こうと考えて地上を目指す。
潤は虎太郎を見て『虎太郎様…!』と泣きそうな顔をした。
忍は気を失っているだけらしい。
「右京は…!?」
「皇帝と一緒に気配が消えました…」
まさか連れて行かれた!?
あの右京に限ってあり得ない!
「何があったんだ!」
そう聞く虎太郎に潤は忍を抱えたままポツリポツリと話を始めた。
皇帝が現れた事…
忍が狙われた事…
ウリエルと皇帝が対峙していた事…
その後、ウリエルから突然感じた事のないほど異様な邪気が放たれた事…
そして…