とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



虎太郎は下を向いて肩を揺らして笑いをこらえているのがバレバレだった。

そんな虎太郎を右京は軽く小突く。


『ごめん…だって…クックックッ…』

『なによ!知らなかったのよ!人間があんなに早く老いるなんて…詐欺だわ!』


そこまで聞くと右京も堪えきれず虎太郎につられて笑い出した。


『クックックッ…それはお気の毒だな…』

『なによ!バカにしてんの!?』


顔を真っ赤にして怒るリサに『ごめんごめん』と謝りながら右京はリサの頭を撫でた。


『お前カワイイな!』


そう言って優しく笑う右京にリサは恥ずかしそうに下を向いてドレス握り締めた。


「虎太郎、このガキどうする?」

「どーしよう…はっきり言って八つ当たりだもんな~」


日本語でそうやり取りする二人をリサは不思議そうに眺めた。


右京は『アラン』とP2に向かって話し出した。

『聞いてるよ。どうやら危険性は無さそうだね。』

『ああ、問題ない。』

『後は君達に任せるよ。
終わったら戻って来てくれ。』

『了解。』


右京はリサの後ろで大人しく座って傍観していたクー・シーに話し掛けた。


『お前はリサの子守役だろ?連れて帰れるか?』


…承知シタ。


クー・シーはまだ帰らないとダダをこねるリサを背中に乗せて右京達を見た。



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