とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
忍に気付いたsevenのメンバーが近寄って来たのを見てジンヤは同じ質問をした。
「黒崎さんっすか?そおっすね~やっぱり“守護神”じゃないっすか?」
堤はそれを聞いて意外にな顔をした。
「イメージがつかないね。怖い感じかと思ってたのに守護神だって言うし…」
その時店内で客同士が騒ぎはじめ、目を向けると掴み合いになっていた。
「…ああいう時、右京は…彼はカウンターを飛び越えて止めに入るの…」
忍はそんな状況を思い出して懐かしくなった。
「この店の用心棒っすからね。」
「…かっこいいな…」
「ハンパなくかっけーよ!」
「そういえば男にばっかモテるって笑ってたっけ!」
「女にもモテましたよ?でも忍さん一筋っすから、あの人は!」
一向に治まらない騒ぎが気になり出した頃、入口から入って来た人物は喧嘩をする2人に拳骨を振り下ろした。
「ガクさん!」
ガクはカウンター席でブンブン手を振る忍を見て、満面の笑みを浮かべた。
「忍ちゃんじゃねーか!」
「会いたかったよ、ガクさん!」
「旦那は元気か?」
「えっと…元気だよ…」
微妙な反応にガクは眉を寄せた。
「喧嘩したらしいっすよ?」
「珍しいな…それを聞いて欲しくて来たのか。」
ガクは忍の頭を撫でると優しく笑うと「聞こうか」と忍の隣りに座った。