とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



「手荒な真似して申し訳ありません。

主の命令なので…」

「あるじ…?」

「ワタクシは右京様の下部…忠実な“犬”ですので…」

「久々に潤ちゃんが現れたかと思ったら、いきなりだもんな~
俺もビビった!」


そう言うジンヤに潤は可愛らしい笑顔を見せた。


…なんなんだ!?
忍ちゃんの彼氏って何者だ!?


忍は何やら彼氏と電話口で喧嘩を始めた。


「謝ろうと思ってたけどその気も失せたわ!

…はぁ!?何言ってんの!?

…違うわよ!帰って来たら覚悟するのね!

…なっ!?下ネタじゃないわよ!バカじゃないの!?」


会話を聞いていたガクとゴウは腹を抱えて笑い出した。


「ハハハ!マジうけるわ!…アイツ相当たまってんな…」

「ったく…あの剣幕の忍ちゃんに何言ってんだよ!」


状況が悪化したようにしか見えない痴話喧嘩をあまり気にしてないガク達に堤は眉を寄せた。


「…何者なんですか…忍ちゃんの彼氏って…」

「さぁな!まぁ、アイツに勝てるのは忍ちゃんだけだってのは確かだな。」

「あ~そうだな。俺も殺されかけたわ!」


堤はそれを聞いてすっかり縮み上がった。


「安心しな。忍ちゃんに変な気起こさなければ死ぬことはねーよ。」


その言葉に堤は絶対に間違いを起こさないようにしようと誓ったのだった。



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