とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
アランはその時マイケル達と一緒に部屋の外に居たらしく、右京は後で散々茶化された。
『意外と情熱的なんだね、クロウって…』
『またその話か!そんな見つめて言うなよ!恥ずかしい…』
図書館でレポートを書きながらアランはまたしつこいくらい右京をからかった。
アランの携帯にメールが届いたらしく、静かに目を走らせた。
『クロウ…残念だけど今日も寝れないみたいだ。』
『…今度は何が相手かな…』
『それは“お楽しみ”ってヤツだよ。』
そう言ってお決まりの笑みを浮かべるアランを見て右京は溜め息を付いたのだった。
授業が終わってから3時間程仮眠を取ってからP2に向かう。
『hi!クロウ、久しぶりね~』
『やぁシンディ。この前は悪かったな。』
セイレーンの騒ぎの際、シンディが丹精込めて作ったコートの背中を破いてしまい、それを見た彼女はがっくりうなだれていた。
『いいのよ。改良したの作ったから後で着てみてね!』
右京は頷きながら“作戦会議室”とみんなが呼ぶ隣の部屋へ足を踏み入れた。
「右京、遅かったね。寝過ごして来ないかと思ったよ。」
「起こしてくれても良かったんだぜ?」
「やだよ。この前リサと間違われて蹴り食らったばっかだぜ?」
虎太郎は「もう御免だ」と言って両手を挙げた。