とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


『なかなか起きないから僕起こしたんだよ…

そしたら女の子が…』

『虎太郎が?』

『うん…遅くまで寝れなかったから寝かせてやってって…』

『…ほぉ~…』


そう言ってにやける右京にリーは『秘密だよ!』と付け加えた。


『やっぱ虎太郎を迎えに行って来る!』

『マズいって!!』

『大丈夫だって!秘密にするから!』

『クロウが行ったら意味ないじゃないか!!』


リーと右京がそう言って揉めていると『右京!』と虎太郎に声を掛けられた。


『おはよ。どうかした?』

『虎太郎…女連れ込んだって本当か?』

『クロウ!!』


真っ赤になって抗議するリーを抑えながら右京はニヤニヤと笑った。


『ああ、リサだよ。』

『リサ!?…リサと…へぇ~』

『…右京。目がやらしい…

なんもしてないよ。』

『え?シテないの?』

『リーまで何言ってんだよ!してねーよ!』


右京とリーは『なんだ』とつまらなそうな表情になった。


『あのねぇ…誰のせいでリサを泊める事になったと思ってんの!?』

『なに、俺!?』

『他に誰が居るんだよ!

ちょっとは優しくしてやれよ!かなり凹んでたぞ!?』

『無理。俺あの女、苦手だもん。』


キッパリ言い放つ右京に虎太郎は溜め息を付いた。



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