とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


食堂に入るといつもの仲間達と朝食を取る。


『来た来た!遅いじゃないか!!』

『寝不足でね。』

『なぁ、クロウ。日本人は草で作った床の上で寝るって本当か?』

『なんだ、いきなり…』

『宗教学の講義で昨日教授が言ってたらしいよ?』

『“畳”のことか?』

『そう“タタミ”だ!』

『うちのじじぃは畳じゃないと寝れないって言ってたな…』

『すげー!』

『右京の家みたらマイク達は感激するな…』

『ハハ…そうかも。』

『見たい!凄く見たい!』

『いいぜ?日本に来いよ。』


マイケルとジェイクはかなり乗り気で二人で盛り上がっていた。


『年末帰るけど、正月来ると面白いかも。』

『“ショーガツ”って?』

『ん~…12月31日から1月1日のカウトダウンを神社で祝うんだ。』

『ワォ…やりたい!ショーガツやりたい!』


間違えた日本語にちょっと笑いながら右京は手早く朝食を済ませた。


『虎太郎は?年末どうすんだ?』

『考え中~』


虎太郎は日本に居る時も古い洋館に住み着いていたが、そこは天界への抜け道みたいな感じになっていた。


“あえて日本に里帰りする意味がない”


と夏休みの時も零していた。

この調子だと年末も帰る気はないのかもしれない。



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