とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
数日後P2の召集がかかった。
メンバーが全員揃ったところでアランは開口一番『マモンが動いた』と言った。
その言葉にメンバーの間にも緊張が走る。
『今回は犯行予告をしてきた。』
『手口が大胆だな…』
『で?それはどこなんだ?』
『“銀行”だよ。』
ダンの話だと“現金輸送車”を襲うと言う犯行予告が昼間届いたらしい。
『って事は白昼犯行に及ぶのか!?』
右京は舌打ちをした。
夜ならまだしも昼間は目立ち過ぎる…
『恐らく警察も動くだろう。
こちらとしても警察と鉢合わせは避けたい。』
『慎重に行動しよう。
で何かアイデアは?』
アランは頷くと壁の地図を指差した。
『まず銀行を出た輸送車のルートはA~Dを経由して市内に入る。
市内に入ったら人目に付きやすいから、なんとしてもその手前でマモンを捕まえたい。』
『となると…ずっと輸送車を監視してないと厳しいな…』
人目に付きにくいポイントは犯人が犯行におよぶ可能性が高い。
当然、そのポイントは警察もマークしてるだろう。
『…動き辛いな…』
『策はある。
先回りするのさ。』
そう言うとアランは一つ深呼吸をしてから『潜入する』と言った。