シュガーレス・キス
シュガーレス・キス
キミといた20日間は、本当に大切に思えた。
ポッカリと空いてしまった心の穴を埋めるように満たしてくれた思い出も、時間もかけがえのないものになった。
『悠那くん』
――――だからこそ。
『忘れないでね』
――――忘れたくない。
『いつだって、悠那くんのことを想ってるよ』
――――忘れちゃいけない。
思い出も時間も。
目を細めて笑う可愛らしい笑顔も、綺麗な涙を流して泣く泣き顔も、自分のために誰かのためを思って怒る顔も。
その耳に残るような声も、仕草も、キスした唇も。
だからこそ、強く深く胸の中に刻もうじゃないか。