シュガーレス・キス
「お前ってさ、何なの?」
『へ?』
タラリン…と携帯の写メった音と同時に振り向いたハルは何とも言えない間抜け面で思わず吹き出しそうになった。
美少女の顔が台無しだ。
写メでハルを映してみたけどやっぱり映っていなくて、幽霊なのかと思った。
画面に残ったのは屋上の風景だけだった。
保存しといても意味ないと思い、取り消した。
『見たまんまでしょ』
「死んでんの?」
俺の発言に目を丸くさせたハルは「プ」と吹き出して笑った。
…おかしいこと言ったか?
浮いてて透けてたら死んでると思うだろ、普通は。
『あははっ!まっさかーっ!死んでなんかないよーぅ』
…その語尾の伸ばし方イラッときた。
「何言っちゃってんの」とバシバシ背中を叩いてくるハル。
お前、透けてんのに触れんのかよ。何でも有りだな、おい。
しかも地味に痛い。