シュガーレス・キス


「どうゆう風の吹き回し?今日雨でも降るんじゃない?」

「…三木失礼だな。俺だってやるときはやるよ」


って、ハルに無理矢理走らされたんだけど。でも、こんなこと言えない。


そしてハルの余計な一言が俺を危険にさらした。


『単位やばいもんね』

「―ぅ…っ!」

「「う?」」



うるさい!、とハルに向かって言えなかったのは当たり前にコイツらがいるからで。


でも出てしまった最初の言葉を皆は聞き逃さなかった。



……ハルに学校では話しかけるなって言っとかなきゃ駄目だな。



「悠那?どうしたの?」

「気分悪い?」


涼子とスミレちゃんが俺の顔を覗き込んで心配してきた。


具合が悪いとでも見とってくれたのか、他に疑うようなことはなかった。



「悠那?」

「大丈夫。何でもないから。何か言おうとしたんだけど忘れた」

「………そ?」


適当に嘘をついて話題を反らすと担任が入ってきて、皆、自分の席に戻った。

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