シュガーレス・キス
やればできる子、ね。
立ち上がって教室に入り自分の席についた。
1番前の1番窓側の端の席。
頬杖をついて窓の外を眺めれば、広い広い無限の空。
『悠那くん』
「………」
『空、綺麗だね』
ああ、そうだな。
俺もそう思った。
そう言うように伝えるように瞳を閉じた
。
雲一つない青い空。
果てしない空をみていたらなんだか無償に泣きたくなった。
どうしてだろう。
「………。」
今、見ている光景はきっと世界で俺だけしかみたことがないだろう。
驚くも何も、何と言っていいのかわからないくらい凄いことになってると思う。
『悠那くん、座ってていいよ?』
「あ、はい。」
キッチンに立つ女の子、いや幽霊1人。
さっきから食器だの調味料だの飛び回ってて、どうなっているのかぜひ知りたいものだ。