シュガーレス・キス


あれからちゃんと授業を受けて帰ってきた。


16時すぎには家に着いて早めに風呂も済ませて、丁度出てきたら、今のこの不思議な光景を目にした。



ハルが、幽霊がキッチンに立って料理してるよ…。ありえねぇ。どうなってるの?なんでもできちゃうわけ?

幽霊は幽霊らしく、透けてて フワフワ浮いてればいいんじゃねーの?


『なに?悠那くん』

「…実は幽霊じゃなくて魔法使いだろ、お前」

『え、意味わかんない』


ああ、意味わかんないよ、本当に。
でもそれはこっちのセリフだ!


鼻唄なんかをしながら料理するハルに不安を持ちながらとりあえずソファに座っといた。



…何とも不思議だ。

幽霊がここにいることが既に可笑しいんだけれど。


ちらっとハルを盗み見るとバッチリと目が合った。



『うん?』

「…なんでもない」



ソファに横になって今思ったことをもう一度思った。

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