シュガーレス・キス
…何なんだ、今の。
ただの夢?それにしてはリアルに感じた。
俺が客観的になってみていたような気がする。
まるで誰かの夢を見せられているような。
考えても無駄だと思い重い体を布団から出して学校に行く支度をした。
『悠那くん』
家を出る前にハルに呼び止められてハルを見上げた。
「なに?」
『私、今日うろちょろしててもいい?』
「いいけど…なんで?」
『うーん、だって学校にいてもつまんないし悠那くんしか喋る相手いないけど邪魔しちゃいけないし』
まぁ…なんでもいいですけどね。
ハルがしたいことをすればいいよ。
家だけ一緒に出るとハルは「また夕方ね」と言って姿を消した。
自由な奴。
そう思いながら俺は学校へと足を進めた。