シュガーレス・キス
「聞いてる?悠那」
「聞いてる聞いてる」
俺がクスクス笑ってるのが気に食わなかったのかムッとして眉を寄せた。
だって、素直じゃねぇんだもん、すみれちゃん。
悪口言いつつも内心きっと三木が彼女作らないかヒヤヒヤしてるに決まってる。
「大変だなぁ、モテる男を好きになっちゃ」
「え」
「三木のこと好きだろ?」
急にボッと顔を赤くさせたスミレちゃんは口をパクパクし始めた。
まるで金魚のよう。
「…っ、いつから気づいてたのっ」
「最近?今日だって三木と三木といたかったから購買ついて行ったんだろ?」
「…ごもっともです…」
真っ赤になって三木を想うその表情が何よりも恋をしている証拠だろ。
…にしても、スミレちゃんと三木かぁ。
意外な組み合わせだな。
でも意外とそうゆうのが良かったりするのかも。
「三木スミレ、か。いいんじゃね?」
な、とスミレちゃんと、目を合わせるとまた彼女は頬を染めた。
「まだ付き合ってもいないのに気が早いよ」
「夢はでっかく持たなきゃ」