シュガーレス・キス


ああ、本当に翔太が大切なんだな。

きっと2人ともお互いの立場をわかっているからこそ沢山悩んで付き合ってるんだろうなって思う。


「これ、プリント出し忘れてたから」

「…あ、ありがとう」

「言わないから安心してよ。約束するよ」


ふと顔を合わせた香織ちゃんはまだ少し涙目で俺を見上げた。


「今度、翔太との馴れ初めを聞かせてよ」

「え、」

「口止め料。誰にも言わないって約束するから、香織ちゃんは俺に翔太とのこと聞かせて。交換条件ね」


プリントを受け取った香織ちゃんは大きく頷いて一筋の涙を流した。


綺麗にこぼれ落ちた涙は、誰よりも翔太を想っている証拠だよね。



翔太と香織ちゃんを見ていたらなんだか懐かしい雰囲気ん思い出した。



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