シュガーレス・キス


何を考えたんだ。

「別の好きな奴がいる」とでも言いたかったか?

いないだろ、そんな人なんて。



はあっ…と重たい溜め息をつくとハルが心配そうに覗いてきた。


『…大丈夫?どうしたの?』


…今思えば、最初に会った頃もこいつを何となく懐かしく感じたよな。

初めてのような気がしなかった。


ハルの笑顔が似てると思う女の子は浮かんでくるし、でもはっきりとしないその人物がもどかしくなる。


誰だ…?
わからない。

知ってる人…?
わからない。


どんなに頭を回転させても考えても、答えは見つからない。



気になる。

ハルのことが。
ハルの過去も。
ハルの全てを。

そして、自分のこの感情も。
時折曖昧な記憶も。



全部、気になるのは何でだろう?
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