シュガーレス・キス


数分間、お互いを見つめあったまま動けずにいた。


『お、…おはよう』

「……はよぅ」

『………。』
「………。」


何だし、これ。
この状況も雰囲気も。

何て言ったらいいのかわからないけど、とりあえず気まずい。


『目覚ましで起きるなんて珍しいね』

「え?あ、まあ…たまたま」

『ふーん…』

「………。」
『………。』


あー…まただ。こうなると会話がきまって続かない。


ゆっくり離れていくハルを横目にみながら、俺も体を起こした。


「…なぁ、ハル」

『わわ私っ、リビングに用事あるんだった。ああっ…あっち行ってるね!』


俺の言葉を遮るように早口で喋ってはあっという間に部屋の扉を通り抜けて消えたハル。


しどろもどろすぎ。ていうかカミカミすぎ。

用事があったんなら何でここにいたんだ。


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