恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『あっ、つーかマジで髪切んなよ』
『えっ?』
『えっじゃねーし。絶対ダメだからな』
『はいはい、わかりました!』
「あと…あいつはやめとけよ」
「あいつ?」
「牧野だよ、デートしようとか昨日ミチに言ってきてたんだろ?」
「あぁそれね、断ったよ、すぐに」
好きな人がいるからって。
そう言って断ったんだ。
「えっ?あ!ハハッ、なんだ、そっか。断ったのか!そっか!」
ねぇ翔?―――
翔のくれる言葉のひとつひとつが、
あたしの心に震えるように響いてくる。
優しくて。
あったかくて。
でも時々胸をキュっと締め付けて。
あたしの心は…
気付けば、翔の言葉でいっぱいになってる。
でもね、そしたらなんか…
すごく幸せな気持ちになるんだ。
翔に包まれてるみたいに、
あったかくて…幸せな気持ちになるの。