恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
友達だから――Taku
――Side Taku――
『えっ、何でお前涙目になってんだよ』
『なってないよぉ、空見てたら目乾いただけだってば』
『ミチってコンタクトだっけ?』
『裸眼ですーっ』
放課後の河川敷。
寝転がっていた俺の左隣から、聞こえてくるそんな二人の声に、俺はそっと瞳を閉じた。
翔とミチ。
二人が楽しそうに話をしながら笑ってるから、俺がなんか話し掛けて邪魔すんのも嫌で。
『ナオはカメラマンになりたいんでしょ?』
『おー。マナは美容師だっけ?』
そして右隣でも、マナとナオが夢の語り合いとかしてくれちゃってるから。
俺は瞳を閉じたまま、頭の中をからっぽにした。