恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『翔!見て!あのピンクの花火超可愛くない?』
『あぁ、可愛い可愛い』
『ほんとに思ってんのぉ?でもさ、あの花火が一番キレーだよね』
そんな俺の気も知らないミチは、歩きながら空を指差して。
俺を見てニコニコと笑った。
あれ?
ミチってこんなに可愛かったっけ?
気付かなかった、こんなことも。
今まで何で、気付かなかったんだろう。
『俺はあのカラフルな花火が好きだけどな』
『あー、なんか確かに翔っぽい!』
『ハハッ、なんだよそれ』
『だって翔はいろんな色を持ってるからさ』
そしてふと、
ミチがそう言って俺を見た時。
目が合った俺達の時間は―――
ほんの一瞬だけ、
止まったような気がした。