恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜



約束したから。

綾乃と。



電話には出るって…絶対に出るって…

ちゃんと約束したから。




『もしもし』




約束は…守るためにある。


だから破ったら…

それで何かが変わってしまうような気がしたんだ。





『うん、分かった。じゃあな、おやすみ』





そして少し話したあと電話を切った俺は、携帯をポケットにしまうと、マナとまっすぐに向き合って立った。





『ねぇナオ?一番じゃなくてもいい。浮気相手でもいい……私を…友達じゃなくて、女として見てくれないかな…』




震えるような、マナの声が。

リアルすぎて…なんかすげー切なくなる。




でも、俺は―――




『ごめんな、マナ……俺、今、綾乃のことマジで好きなんだ。だから……ごめん。それはできない』




そして自分の気持ちを、素直にマナに伝えた。





< 210 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop