恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
約束したから。
綾乃と。
電話には出るって…絶対に出るって…
ちゃんと約束したから。
『もしもし』
約束は…守るためにある。
だから破ったら…
それで何かが変わってしまうような気がしたんだ。
『うん、分かった。じゃあな、おやすみ』
そして少し話したあと電話を切った俺は、携帯をポケットにしまうと、マナとまっすぐに向き合って立った。
『ねぇナオ?一番じゃなくてもいい。浮気相手でもいい……私を…友達じゃなくて、女として見てくれないかな…』
震えるような、マナの声が。
リアルすぎて…なんかすげー切なくなる。
でも、俺は―――
『ごめんな、マナ……俺、今、綾乃のことマジで好きなんだ。だから……ごめん。それはできない』
そして自分の気持ちを、素直にマナに伝えた。