恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『翔!』
『ん?なんだよ』
『ちょっと』
教室に戻ったあたしは、マナ達と話していた翔に声をかけて、少し離れた場所から手招きをした。
『なに』
そしてすぐそばまで歩いてきた翔は、そう言ってあたしを上から見下ろした。
『てかさ、翔、背高くなったんじゃない?』
『は?背?あぁ、伸びたかな』
『うん、伸びてるよ』
『え?なに?それだけ?』
『あっ、違うの、ちょっとお願いがあってさ』
と、あたしがそう言った時、フフッと笑った翔と目と目が合った。
『なんだよ、また財布忘れたの?』
『え?』
『え?じゃねーよ、財布、忘れたんじゃないの?』
翔はそう言って、あたしを見つめる。