恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『つーか俺、またミチが財布忘れたかと思ったし』
『え?』
『お前、週一ぐらいで忘れるからな』
『そうかな?』
『そうだろ、しかも今週はまだ忘れてないみたいだし。もうそろそろだなと思ってたから』
翔はそう言って、ふとはにかんだ笑顔を見せた。
確かに……
確かにあたしは、時々財布を忘れる。
でも週一ペースで忘れてるっけ?
『まぁ忘れてないならいいや。つーか俺、お前がよく財布忘れるからちょっと多めに財布に金入れるようになったんだからな』
『なんで?』
『なんでってお前。いつも貸してくれって頼んでくんのミチだろ』
そう言って翔は…
あたしの頭に手を乗せて。
髪をくしゃくしゃっとしてきた。