恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜



『まぁちゃんと次の日には返ってくるから問題ナシだけどさ』




翔はそう言うと、最後にあたしの頭をぽんっと軽く叩いてタク達の所に戻っていった。





な……によ。


そりゃああたし、財布忘れた時、翔に借りる癖がついてるけどさ。



そうだけどさ……。






歩いていく翔の後ろ姿を見つめながら、なんだか初めて感じるような感覚に、あたしは少し戸惑っていた。




少し背が伸びた翔が、急に頭なんか触るからさ、なんだかちょっと、ドキドキしちゃったじゃん。





あれ?



でも………



こんなこと、今までだってあったはず。




翔にもナオにもタクにも。



頭触られることなんて何度もあったはずなのに。




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