恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜

『なにつまんなそうな顔してんだよ』





と、その時―――


温かい缶が頬に当てられて。




ふと隣に立っていた人を見上げると、そこには…


翔の姿があった。






『ほれ』




そして、そう言ってさっきあたしの頬に当てた缶のレモンティーを差し出すと、そのまま翔はあたしの隣に腰をおろした。





『ありがと』




あたしはそう言いながらふと後ろを見ると、マナ達も翔に渡されたであろうカフェオレを手にしていて。


みんなが冷えた手を温めるように、缶に手を添えてコロコロと手の平で転がしていた。






『つーかレモンティーでよかった？』


『えっ？』


『いやぁ、俺とあいつら、いつもカフェオレじゃん？でもミチはいつもレモンティー飲んでるらさ』





そう言うと翔は、あたしに渡してきたはずのレモンティーをさっと取って。


プシュッとプルタブを開けた。