恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『はい……』
でも、悩んでるヒマなんてなくて。
あたしはすぐに、翔からの電話に出た。
『もしもし、ミチ?』
『うん』
『あのさ、今日はゴメンな』
えっ?
何で翔が…謝るの?
『お前が親とケンカしてたことも知らなかったから…なんか浮かれて告白された話とかしちゃってさ。しかもレモンティーも。リプトンじゃなきゃダメだとか分からなかったからさ』
翔はそう言って、あたしよりも先に…
謝ってきた。
『違うの。謝るのはあたしの方だし。ゴメンねほんと…レモンティーもね、リプトンじゃなきゃダメって言ったのはウソなの。だってね、リプトンより美味しかったよ、翔が買ってくれたあのレモンティー』
『マジかよー、つーかそれ、もっと早く言えよなー』
『えっ?』
『まぁいいや。とりあえず今からちょっと出てこいよ』
『今から?』
『おー。今ミチの家のマンションの前にいるんだ』
翔はそう言うと、再度あたしに今からマンションの前に出てくるように言って。
一方的に電話を切ってしまった。