恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『友達が今ね、下に来てるみたいだから、ちょっと出てもいい?』
『はいはい、でもあんまり遅くまで話し込んじゃだめよ』
『分かってるって!』
あたしはすぐにお母さんに下まで出てくることを伝えると、急いで家から飛び出していた。
『ミチ!こっちこっち!』
そしてマンションの入口を出たその時、翔の声が聞こえて。
その声のする方へ視線を向けると、自転車を止めてつっ立っている翔の姿を見つけた。
『いきなり下にいるとか言うからビックリしたじゃん』
あたしがそう言って翔のもとに近付いていくと、翔はフフッと笑って。
『これ、もうかなり冷めちゃってるけど…とりあえず買っちゃったから。はいっ』
そう言って、あたしにコンビニの袋を差し出した。
『なにー?』
袋を受けとったあたしは、何が入ってるのかと思いながら、袋を覗きこんでつぶやいた。