恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜
『翔…これ……』
そこには、リプトンのレモンティーが7本も入ってて。
『お前がリプトンじゃなきゃって言ってたの、冗談って思わなかったからさ。しかも買った後に冗談だって聞かされたし。だからそれ、責任もって飲めよな』
そう言って翔は笑う。
『にしても買い過ぎでしょ』
あたしは、出来ることなら翔に飛び付いて。
ありがとうって、言いたかった。
でも、なんか素直になれなくて。
そんな言葉しか出てこなくて。
可愛い素直な女には、なれなかった。